文・作画/尾崎由紀
はじめに 
「仲良しバーダー夫婦の正体」
 「ご夫婦同じ趣味で良いですね、うらやましいです。」と皆さんおっしゃってくださいますが、いつも答えに困ってしまいます。結婚して8年になりますが、ほとんど毎週のように探鳥旅行していて(京都や奈良ぐらいの距離でも1日中鳥見をしていると旅行のような感覚になります。)休日は出かけないと気がすまない変な習慣になってしまいました。
 今年のゴールデンウィークも南の島へ6日間の旅から帰って、まだ荷物もほどかない状態で、翌日からハシジロアビ夏羽を見に茨城県の波崎へ遠征という、普通では考えられない行動をとってしまいました。
 夫婦だと費用は2倍、洗濯物も2倍、帰ってきてからは鬼のような片付けものが待っています。またすぐ週末には出かけるため1週間その辺に積み上げてあり、家の中が一向に片付かなくて困り果てる毎日です。一緒に出かけていると疲れてしまい夕食の準備ができなくなるので、休日の夕食は外食かホカ弁と決まっていて、おまけに主人は平日出張が多いので結局、妻の下手な手料理もめったに食べられず、ずっと我慢させています。3年ほど前から2人で撮影も始めましたので、現像代、プリント代、フィルム代も2倍で、もう家計は火の車です。夫婦同じ趣味のいったい何が良いのでしょうか?なんて気持ちになってきます。
 また、主人は出張先で珍鳥が出た時は自分ひとりで良い思いをし、それに対抗して妻は主人の出張中にひとりで方々へ出かけるようにもなりました。お互いわずかな隙でもあろうものなら相手を裏切り、自分だけ抜け駆けしようと、常に機会をうかがっているのです。皆さん、もしどこかで私達のどちらか片方を発見したら、「あ〜っ!今日は裏切りですね。」と声をおかけください。
 結婚した当初は家の近所の昆陽池で地道に鳥を見ていたのですが、だんだん鳥見仲間も増えてくると、情報もたくさん入るようになり、そうなるとどうしても情報に頼って動く他力本願バーダーの傾向が強くなりがちです。情報が入ると可能な限り、できるだけ速く 飛んで行くようにしています。
 というわけで、この連載ではここ1.2年の中から特に印象深かった鳥のお話をしようと思います。おまぬけ夫婦のつまらない探鳥記ですが、どうぞ最後までお付き合いいただけましたら、幸いです。



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