文・作画/尾崎由紀
       
はじめに

「7年の歳月」

 


 最初に石垣島&西表島に行きたいと思い立ってから、いったいどれくらいの時間が経ったでしょう。
 夫婦間の希望がくいちがったり、何となく気乗りがしなかったり、周囲から阻止されたりして、いつしか7年という歳月が流れました。様々な波を乗り越え、ついにこの夏休み7年越しの思いは実現しました。そして、いつもの探鳥旅行と違うのは、私の大学時代からの親友をメンバーに加えた3人旅であるというところです。
 旅先では脇目も振らず鳥一筋の主人と、せっかく来たのだから鳥以外のことも楽しみたい私、日頃から意見が衝突することもしばしばですが、親友も同行する今回の旅では主人と別行動をとることも可能です。そこで私は、通常の夫婦ふたり旅では絶対実行を許されない観光、海水浴、ショッピング、グルメ…などなど、この貴重な機会に思いっきり楽しむことを決意しました。昨年の春、与那国島を旅した帰り、飛行機乗り継ぎの待ち時間で石垣島には少しの間降り立ったことはありましたが、時間切れで鳥見はできず島の様子はほとんどわかりません。
 この7年の間、方々の鳥仲間の皆様より仕入れ、じっくりとあたためてきた情報に加え、出発直前に諸先輩方より最新情報、最近の島事情、景勝地、郷土料理の店、おみやげ情報他を事細かく教えていただき準備万端整えます。
 ただひとつ心配なのは、その親友が鳥を全く知らない一般人であるということ。過酷な探鳥旅行スケジュールに果たして彼女は耐えられるのでしょうか?期待と不安を抱きながら、南の島の休日5日間は始まりました。はてさて、どうなることやら?!
 というわけで、これから連載6回にわたって、2002年7月21日〜25日に訪れました石垣島&西表島旅行のお話をしようと思います。どうぞ最後までごゆっくりおつきあいください。ご一緒に南の島の風を感じていただけますように。

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